研究課題/領域番号 |
23730760
|
研究機関 | 郡山女子大学 |
研究代表者 |
垣花 真一郎 郡山女子大学, 家政学部, 准教授 (00550724)
|
キーワード | 平仮名 / 読み習得 / 拗音表記 / 濁音文字 / 幼児 |
研究概要 |
濁音文字,拗音表記の習得支援法の開発を目的とした。それぞれについて,次の習得支援法を考案した。(1)濁音---「音の濁り」に気付かせる歌・リズム遊び:これは擬音語・擬態語が濁音化すると「重く・大きく」感じられる現象(例 トントン、ドンドン)を利用して,清濁の音の対比を感じさせるのがねらいである。(2)拗音---「音の合体」に気付かせる歌・リズム遊び:これは,たとえば,「に」と「や」が合成されると「にゃ」(猫の鳴き声)になるように,2つの音が合体するとあるものが現れるという歌・リズム遊びである。子どもの知的好奇心を喚起しながら、音の合成技能を伸ばすことがねらいである。 24年度は前年度に行った実験の結果が予想通りには出なかった原因を以下の3点から検証した。(1)データの再分析を行い、実験群、統制群の性質が事前調査の時点で異なっていたことが明らかとなった。(2)実験結果を第54回日本教育心理学会総会で発表し、参加者との討議を行い、サンプル数が不足であること、また文字を提示せず、音韻の操作スキルだけに焦点を当てた介入では効果が限定的であるとの海外の研究結果を考慮すべきということについて、示唆を得た。(3)実験の実施幼稚園での聞き取りを行い、東日本大震災後の園児減少で参加児確保が困難であること、クラス分けはランダムに行っており、今回の実験群・統制群の違いは偶然によるものであること、などを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度は、23年度の結果を受けサンプル数(参加児数)を大幅に増加させるべく計画を再構成したが、震災後の園児減少により、従来の協力園のみでは十分な参加児数を確保できないことが明らかとなった。このため、23年度は本格的な調査を実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は24年度の遅れを取り戻すために下記のような計画を行う。 (1)幼稚園での調査 協力園を現状の1園から2園に増やす。 (2)家庭での調査 家庭訪問調査は、残された時間からより簡易的な方法により結果を確保する。具体的には保護者による観察記録を利用した研究デザインに変更する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
幼稚園のでの調査を実施するために、主に(1)の経費が発生する。また、家庭での調査には、(2)の経費が発生する。 (1)実験補助(内訳:5人×12月):250,000円 (2)DVD作成費:400,000円
|