研究課題/領域番号 |
23730765
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
吉野 剛弘 東京電機大学, 情報環境学部, 講師 (90369893)
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キーワード | 教育学 / 補習科 / 受験準備教育 / 旧制中学校 |
研究概要 |
当初の研究計画に基づき、以下の作業を実施した。(1)補習科を設置していた中学校(現在は高等学校)における学校文書の調査・収集(広島県立福山誠之館高等学校・千葉県立千葉高等学校)。(2)県立図書館・県文書館における一次史料および関連史料の調査・収集(宮城県・千葉県・大阪府・奈良県・広島県)。(3)研究対象についての基礎資料(県議会史・学校沿革史)の収集。 (1)については、広島県立福山誠之館高等学校所蔵史料の調査・収集をほぼ終了させ、千葉県立千葉高等学校所蔵史料に関しては半分程度(大正中期分まで)終了させた。(2)および(3)については、現段階で所蔵なり存在が判明しているものについてはほぼ完了したが、今後の研究の進展によってはさらなる調査が必要であろう。殊に当初の予定ではその対象として重要視していなかった地方教育会雑誌が有力な史料となりうることが判明したので、今後の調査でも対象としていきたい。 上記の調査の結果、広島県と千葉県については、補習科の設置および改廃の状況、補習科の実態についておおむね明らかとなった。これらの結果を受けて、平成25年度に学会発表および研究論文の形で成果報告を行う予定である。また、大阪府と奈良県に関しては補習科の輪郭は明らかになった。 研究成果報告については、上記の発表予定のものとは別に、明治後期の中学校関係法令の変遷からみえる補習科をめぐる諸問題を検討する論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料調査に関しては一部未達成の部分もあるが、逆に当初の予定よりはかどっているところもあり、4年間の研究期間全体としては順調と評してよい。研究成果報告に関しては、当初の予定よりペースが遅い面は否めないが、十分な調査に基づいた成果報告を出すだけの基盤はこれまでの2年間で形成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果に基づいてさらなる史料収集を行う。学校文書の所蔵状況は実際に学校に入らない限り分からない(必ずしも目録が存在しているわけではない)部分もあるが、これまで2年間の調査で対象の府県の史料所蔵状況の概要は明らかになったので、今年度に増して精力的に進める。また、昨年度より収集をはじめている道府県統計書のデータベース化も行っていく。これらの作業をもとに、研究成果の報告へと重点を移すようにしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的には当初の計画に基づき執行する予定である。なお、今年度の残金の発生は、年度終わり近く(前倒し請求の締め切り後)に年間使用限度額を超える複数巻の書籍の購入を検討したため、次年度での購入を決めたことによる。
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