平和学習に含まれる複数の平和の概念の存在を認め、それらの分断・対立関係を明確にしたうえで、調和を図っていくための検証をおこなうことが本研究の課題であった。平和教育という言葉の道徳的正当性ゆえに、独善主義に陥りやすいという点をふまえ、平和の概念を対立から調和へ導くために、多様性を認めながらも折衝することに道徳的価値を置くAffiliational Liberalsの論理的枠組みを用いて、相違点を認めながらも共生しようとする姿勢が、わが国の平和教育において有効であると論証しうる事例としてオキナワ平和学習について検討した。成果は国際学会において発表され、また編著の一章として出版された。
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