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2012 年度 実績報告書

「科学教育学協会」における「教育的教授」論の誤読とその学校教育学的展開

研究課題

研究課題/領域番号 23730771
研究機関創価大学

研究代表者

牛田 伸一  創価大学, 教育学部, 准教授 (90546128)

キーワードヘルバルト / ヘルバルト学派 / 科学教育協会 / 教育的教授 / 学校生活 / ドイツ教授学
研究概要

平成24年度の研究課題は、第一回の国外調査において収集済みの資料を整理し精読して、「科学教育協会」によるヘルバルトの「教育的教授」論の取り扱われ方の把握を試みることにあった。
研究の帰結を述べると――それはコリアント(Coriand, R.)の研究を参照して判明したことであるが――ヘルバルト学派の全員が全員、彼の師であるヘルバルトの「教育的教授」論における「訓練」との一体性について、完全に誤読していたというわけではなく、学派の一部の教育(学)者は、近代学校の勃興のプロセスの中で、そうした一体性をいかにして学校教育において実現化し得るかを試みていたことが明らかになった、ということである。学派のどの人物がどの立ち位置にいたのいかについては、主なヘルバルト学派の学説すべてをつまびらかにしなければならないので、この研究を継続しなければならないが、少なくともヘルバルト学派の主流であるシュトイ(Stoy、K. E.)は、「学校生活」の概念を教育学体系に導入し、実際の学校の中で実践することによって、上記の「教育的教授」と「訓練」の一体性を担保しようと試みていたことが明らかになっている。これは今回の研究の成果である。
これに付随する研究の展望は以下のとおりである。いわゆる「生活に根差した学校」という、改革教育学的コンセプトはすでに、ヘルバルト学派において理論的・実践的に準備が図られていたのではないか、との見通しである。すなわち、改革教育学とヘルバルト学派のつながりの解明という課題である。ドイツではケンパー(Kemper, H.)によって、このような問題意識が表明されていたことも、知られるところとなり、この意味で研究の新たな方向性が得られたことも、今回の研究の大きな成果である。
今回の得られた知見は、いまだ論文として公表してはいないので、継続して成果の取りまとめに取り組みたいと思う。

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公開日: 2014-07-24  

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