ヘルバルト学派の全員が全員、ヘルバルトの「教育的教授」論を誤認識していたわけではなかった。ここで言うところの誤認識とは、「教育的教授」と「訓練」の一体性の看過のことである。コリアントによると、シュトイは「学校生活」の概念を以って、イエナのゼミナール訓練学校のなかで両方の一体性のある学校を構想し実践していたと見られる。ただし、三つのキーワードの関係が理論的に説明されていないこと、さらにはヘルバルト自身が学校そのものを忌避していた事実とシュトイの学校実践との関連が示されていないこと、これらは問題である。この究明については、本研究の継続的な課題である。
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