本研究は、希望を主題とする道徳教育論を形成しその実践を省察的に創造する目的で展開されたものである。人間形成における希望を正当に評価し、人としての在り方や生き方に不可欠なものとして位置づけることは、道徳教育が引き取るべき急務の課題である。具体的には、一方で近年のアメリカ合衆国の教育哲学や教育理論の動向を丁寧に検討することを通じて、また他方で日本の学校教育での具体的なカリキュラム開発や指導計画の作成、さらには授業分析といった実践的な視点を交えることを通じて、希望こそが道徳教育の1つの重要なテーマとなりうることを明らかにした。
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