最終年度として、これまで収集した文献、史料の分析、およびさらなる史料収集に努めた。
①学校文書の史料調査及び実態解明については、当初の計画で訪問を予定した各小学校の都合上(増改築、耐震工事等により所蔵文書の管理が複雑になり、予定通り訪問できなかった)史料調査が進まなかった。よって、史料調査対象を大分県にまで広げ、大分県立図書館、公文書館所蔵の史料収集に取りかかった。日田尋常高等小学校の『校務日誌』や、「建築一件(4/昭和2年)[大分郡内小学校の増改築、雨天体操場、御真影奉安殿の建築など」「昭和3年[大野郡内の小学校の改築や御真影奉安殿の建設]、「建築一件(1/昭和6年)[小学校御真影奉安殿建築認可]」といった行政文書から奉安殿建設に関わる費用や期間等具体的なことが明らかになった。②地域共同体の史料調査および実態解明については、聞き取り調査、および小学校年史より奉安殿が小学校から移設されたという情報を得るものの、台風その他の事情により、その形を発見するケースはなかった。 ③建築業者の史料調査および実態解明については、地元新聞や国立国会図書館所蔵文献に「広告」が散見され、デザイン等の分析を進めた。④各小学校の年史(沿革史、百年史、同窓会誌)の史料調査及び分析については、福岡県立図書館、桂川町立図書館、直方市立図書館、大分県立図書館、および国立国会図書館所蔵所蔵の年史類を調査した他、古本で手に入れる等により関係箇所の史料収集を行った。
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