本研究は、明治期大日本教育会・帝国教育会の教員改良運動について、その実態と経緯を実証的に解明することを目的とした。 日本初の全国教育団体であった両教育会は、資質能力向上の機会を全国各地の指導的小学校教員に提供し、国家隆盛のための教育擁護・推進に動員される存在として教員たちを改良しようとした。指導的教員の資質能力向上は小学校教員の社会的地位の確立手段として位置づけられ、両教育会は、学力向上・教職意義追究・教育方法改良・輿論形成・政策参加の機会を提供した。両教育会の教員改良運動は、日本初の指導的教員による全国的・組織的活動であり、当時未確立であった教員の専門性を高めようとした取り組みであった。
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