研究課題/領域番号 |
23730787
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
丸山 和昭 福島大学, 学内共同利用施設等, その他 (20582886)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 専門職 / 職域横断 / アクレディテーション / 米国 / 相談援助職 |
研究概要 |
本研究の目的は、医療・福祉・教育の職域にまたがる米国の相談援助職を事例として、専門職養成における職域横断型アクレディテーションの成立過程を明らかにするとともに、日本において職域横断型の専門職化を課題とする心理職の事例と比較することで、日本において米国モデルを適用する際の有効性と限界を明らかにすることにある。 本研究計画では、米国のPsychologist、Counselor、Social workerの専門職域の拡大とアクレディテーションシステムの成立過程、および国家・大学・他職種との調整に向けた専門職団体の戦略について、各職種の事例研究を進めるとともに、日本の心理職養成システムとの比較を行う。 計画の初年度にあたる平成23年度は、米国の3職種における職域の広がり、教育要件、アクレディテーション基準に関する資料を収集した。また、日本における心理職の養成システムの成立過程について、教育、産業、医療の三領域に注目し、職域横断型の専門職が抱える課題を整理した。 これら、平成23年度の研究成果の一部は、『カウンセリングを巡る専門職システムの形成過程-「心」の管轄権とプロフェッショナリズムの多元性-』(2012.1、大学教育出版)にまとめ刊行した。また、特にPsychologistの職域とアクレディテーション基準については、「心理職養成の質保証とアクレディテーションに関する一考察」として、論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、米国の相談援助職と日本の心理職を事例として職域横断型アクレディテーションの成立過程と課題を明らかにすることにあるが、平成23年度は米国の対象職種の基礎資料の収集と、Psychologistのアクレディテーション基準の把握を進めることができた。また、日本の事例についても、その歴史過程をまとめ、書籍の刊行に至ったことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、米国のPsychologist、Counselor、Social workerの専門職域の拡大とアクレディテーションシステムの成立過程、および国家・大学・他職種との調整に向けた専門職団体の戦略について、各職種の事例研究を進めるとともに、日本の心理職養成システムとの比較を行う。具体的には、各職種の中心的な専門職団体のジャーナルについて内容分析を進めるとともに、団体本部への訪問調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究では、専門雑誌の内容分析を行う目的から、データ入力や分析の際に、パソコンおよびソフトが必要となるが、一次資料の収集を進めた本年度は、これらを購入せずに研究計画を進めることになった。次年度は、分析作業を進めるために、改めて、これらの購入経費が必要となる。また必要な資料の収集、および米国での訪問調査のため、国内旅費、及び国外旅費が必要である。その他、関連書籍の購入費用、資料の複写費用、及び資料整理や訪問調査の成果を整理するための補助人員への謝金を使用する計画である。
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