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2013 年度 実績報告書

特別支援教育における障害理解と対応をめぐる葛藤に関する生活履歴アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23730791
研究機関愛知教育大学

研究代表者

川北 稔  愛知教育大学, その他の研究科, 准教授 (30397492)

キーワード特別支援教育 / 発達障害 / 共育共生論 / インクルーシブ教育
研究概要

本研究は、発達障害をめぐる理解をめぐり、医療や教育場面を含め、それらにとどまらない葛藤の背景を明らかにすることを目的としている。
当初は主として「発達障害」概念の普及後を焦点として研究を進めたが、最終年度は、より長期的な文脈(身体障害や知的障害を含めた統合教育やインクルーシブ教育)のなかでの発達障害理解に焦点を移した。具体的には、障害のある子どもが地域の学区へ就学することを求める「共育共生論」の主張について、雑誌『福祉労働』の記事を中心に検討した。
この作業から明らかになったことは、第一に共育共生論の障害理解が養護学校や養護学級への「分離」に対抗するなかで構築されていることである。分離に抗するうえでは、普通学級での子どもの問題行動などのリスクも受容されるべきものとして扱われる。これは特別支援教育において問題行動の対応や解決が強調されることと対照的といえる。
関連する第二の含意として、保護者や教員の障害理解への影響がある。共育共生論において保護者は地域での長いスパンでの生活を視野に、学齢期における専門的支援の充実よりも、「共に学ぶ」ことを選択する。また教員が「学び合い」を通じて獲得する職業的な達成感は、共育共生論の主張に共通すると考えられ、それが専門的な障害理解に距離を生じる背景の一つあるとの見通しが得られた。
なお、ライフステージに及ぶ障害理解に関しては別途資料収集を進めたほか、発達障害を持つ本人を招き、就労支援を学ぶ講演会を民間支援団体と共催で実施した(2013年11月23日)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 障害をめぐる専門的知識と教育(1)―養護学校義務化と『福祉労働』誌―2014

    • 著者名/発表者名
      川北稔
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告 教育科学編

      巻: 63 ページ: 179-187

  • [雑誌論文] 個人化するリスクの選択・施設における生の交錯(シンポジウム・ コメント)2013

    • 著者名/発表者名
      川北稔
    • 雑誌名

      東海社会学会年報

      巻: 5 ページ: 38-41

  • [学会発表] 子ども・若者の社会的包摂と居場所の空間的特質2013

    • 著者名/発表者名
      川北稔
    • 学会等名
      社会文化学会第16回全国大会
    • 発表場所
      コープあいち「生活文化会館」
    • 年月日
      2013-12-08

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公開日: 2015-05-28  

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