本研究は、日本の「学校教育の効果」を追求することを目的としている。今回は、校区の社会経済的背景に注目し、学校文化と校区の社会経済的背景の関連という観点から検討を行った。具体的な方法としては、九州地方の大都市でにあるA市の3つの小学校で参与観察調査を実施した。 主な知見は次の2点である。第一に、学校の社会経済的背景と、教師の指導法(あるいは「学校知」の在り方)は対応しているという点である。第二に、学校間に差が見られることは事実であるが、一方でその差を最小限に押さえる仕組みが日本の学校教育に存在しているという点である。
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