本研究は,高等学校普通科,特に,大学進学希望者を対象としたキャリア教育に注目し,高大接続の観点から検討する。具体的には,大学の高度な教育や研究に触れる機会,学部選択に関する情報の提供といった形で実施されている多くの高大連携活動を通して,彼らのキャリア意識にどのような変容が生じるのかについて明らかにする。 前年度までは,高大連携活動の代表的な取り組みである出前講義に注目し,受講者(生徒)の心理的作用の観点からアンケート調査による分析を行った。今年度は,これらの分析結果を補強する観点から高校教員の意識調査を実施し,高大連携がどのように位置づけられてりるのか,また,今後の展開として何が望まれているのかを分析した。さらに,出前講義とは異なる高大連携の取り組みとして,大学生と高校生の交流企画を実施し,大学進学を考える高校生にとって,大学生との関わりが,どのような意識の変化をもたらすのかを分析した。
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