研究課題/領域番号 |
23730801
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
廣森 直子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (40315536)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 専門職 / 女性 / キャリア形成 / 司書 / 栄養士 |
研究概要 |
本研究の目的は、女性専門職がおかれる社会的状況や変化の動向をふまえつつ、専門職として女性がいかに就職し、働き続けられるか(キャリア形成)、また、女性専門職のキャリア形成を支える専門性や働きがいは何かについて実証的に明らかにしていくことである。 現代日本社会において、第3次産業に従事する者の増加に伴って職種や仕事の内容も多様化し、「専門的」とされる職業に就く者も増えた。そのような職種には、高い専門性が求められつつも従来からある専門職に比べて十分な社会的地位が得られていない専門職も多い。とりわけ、専門性を相対的に低く評価されている専門職には女性が多くを占める職種が多く、キャリア形成上の問題を抱えていることも多い。そのような専門職(本研究では、女性専門職と位置づける)におけるキャリア形成(職業能力形成)がどのように行われているのか、どのような事情によりキャリア形成が困難になっているのかについて、実証的に明らかにする。 平成23年度は、女性専門職として、司書と栄養士を対象として、そのキャリア形成についてのインタビュー調査を中心に行い、そのデータの分析を行った。インタビュー調査においては、専門職調査と潜在専門職調査(資格を有しているがその職で現在働いていない者を対象とした調査)を行った。また、専門職のキャリア形成や司書、栄養士の社会的状況にかかわる文献研究を行った。 また、ほかの専門職調査の対象として、ケアワーカーについての予備調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、初年度には、女性専門職のキャリア形成過程を明らかにするため、現在、専門職として働いている女性を対象とした専門職調査、専門職の資格を持ちながら実際には専門職として働いていない女性(潜在専門職)を対象とした潜在専門職調査により、データを収集することとしていた。次年度以降、ある程度のデータが蓄積された段階で、分析結果をまとめて仮説を立て、その内容を調査協力者にフィードバックし、そのことにより、専門職のキャリア形成にかかわる課題を共有化し、再分析(仮説の検証)を行うこととしている。研究を実施している段階で新たな調査対象が生じた場合(専門職養成校、職場環境の実態、職能団体などが想定される)には、適宜、補充調査を行っていく予定であるが、本研究の研究データの基盤は専門職として実際に働いている/働きたいが働く機会が得られない女性の意識やキャリア形成志向におき、実証的な研究をめざすこととしていた。 平成23年度は、司書および栄養士を対象として、専門職/潜在専門職のキャリア形成過程のデータの収集をインタビュー調査により、ほぼ予定通り行った。司書に関する調査結果を分析し、学会発表した。平成24年度以降は、データを充実させるため調査対象者を増やし、継続して調査を実施するとともに、調査協力者へのフィードバックを行うための分析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
継続してデータ収集を行い、データの充実を目指す。調査内容や方法を検討し、可能であればグループインタビューなども実施する。また、平成23年度のデータを分析し、調査協力者にフィードバックする。分析の際、質的データの分析方法についての検討もあわせて行っていく。また、調査協力者へのフィードバックは、調査協力者にとっての業務のふりかえりや今後のキャリア形成の一助となることを目指して行う。 研究成果の公表(学会発表、誌上発表)を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査の実施のため、調査旅費および謝金を要する。また、研究成果の公表(学会発表)のための旅費を要する。 質的なデータを収集、分析するための謝金を要する。また、質的データの分析のためのソフトの購入を検討し、必要であれば購入する。 文献研究のための図書費を要する。
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