研究課題/領域番号 |
23730801
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
廣森 直子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (40315536)
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キーワード | 専門職 / 女性 / キャリア形成 / 司書 / 栄養士 / 非正規 |
研究概要 |
本研究の目的は、女性専門職がおかれる社会的状況、その変化の動向をふまえつつ、専門職として女性がいかに就職し、働きつづけられるか(キャリア形成)、また、女性専門職のキャリア形成を支える専門性や働きがいとはなにか、キャリア形成を妨げているものがあるとすればそれはなにか、などについて実証的に明らかにしていくことにある。 現代社会において、「専門的」とされる職業は増加し、そのような職業に就くものも増加した。従来的に高い専門性を認められている職業に対して、そのような新しい専門職は、その専門性の社会的評価が十分でない職種も多い。また、そのことがその職業に就く者のキャリア形成を妨げていることもある。本研究では、女性が多く働いている専門職として、司書と栄養士(管理栄養士)に注目し、そのキャリア形成過程を実証的に明らかにしながら、その問題点について考察している。 平成24年度は、前年度にひきつづき、司書と栄養士(管理栄養士)を対象としたインタビュー調査を行い、データの収集を行った。また、前年度から収集したデータの分析を行い、司書および栄養士のキャリア形成過程を明らかにし、成果発表も行った。キャリア形成過程の分析からは、職場における経験と学習、キャリアパス・キャリアアップの課題、職場のありかたと専門性の発揮の関係、進む非正規化、専門性のありかた、他職種との関係、集団としての専門性、専門職団体の意味など、さまざまなキーワードが抽出された。今後は、いくつかのキーワードに焦点を絞り、重点的に分析していくことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、平成24年度は、前年度にひきつづきデータ収集を行いながら調査協力者への研究成果のフィードバックも行い、考察を深めていくこととしていた。データの収集についてはおおむね順調に進んでいる。フィードバックのために分析をまとめる必要があるため、いくつかの場所で成果発表を行った。フィードバックについては、方法や内容を対象者により考慮する必要があるため、徐々に進めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
継続してデータ収集を行い、データの充実を目指す。調査過程や分析の段階で生じた修正点などをふまえた調査を行う。また、質的データが分析対象であるので、その分析方法についての検討も行う。調査協力者のフィードバックについては、調査協力者への業務のふりかえりやキャリア形成の一助となることを目指して行う。また、そのことが可能となるような分析を行う。研究成果の公表を行う(学会発表、誌上発表)。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査の実施のため、調査旅費および謝金を要する。研究成果の公表(学会発表)のための旅費を要する。 質的なデータを収集、分析するための謝金を要する。 文献研究のための図書費を要する。
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