本研究は、理論的研究と実証的研究という2つの観点から研究を行った。理論的研究では、社会構成論の理論的系譜の整理をとおして、映像データ分析やエスノグラフィーという質的調査手法が、障害児教育実践の記述を行う上で教育学上意義のある知見を提出可能であることを提示した。実証的研究では、社会構成論の立場から発達障害をめぐる教育実践を分析することにより、現場で生起する出来事がいかなる学校的・教育的規範のもとで成立しているのかを明らかにした。その上で、「発達障害」という概念を捉え直すことでその構成的特質に迫る考察を展開させた。
|