研究課題/領域番号 |
23730812
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研究機関 | 福岡女子短期大学 |
研究代表者 |
横山 卓 福岡女子短期大学, その他部局等, 准教授 (60369387)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 自主防犯ボランティア |
研究概要 |
本研究の目的は、地域における自主防犯ボランティア活動の成立・展開の具体的プロセス及び課題を明らかにすると同時に、そこにいかにして「多様性」を組み込んで活動を活性化させることが可能かを検討・提示することにある。 具体的には、(1)自主防犯ボランティア活動における目的、団体の成立プロセス、団体の構成員、リーダーの有無、リーダーの決定過程、予算、他組織との連携の有無、地域に対する現状認識、活動内容、活動サイクル、活動の評価・効果、広報、課題などを明らかにし、(2)それらの地域類型間の相違を明らかにし、さらに、(3)そこで得られた知見をもとに活動の「多様性」の可能性を探り、地域において自主防犯ボランティア活動の今後を検討する機会につなげることにある。 自主防犯ボランティア団体はいまや全国的に展開されているが、その情報は雑多な形で提示されているのみで、相互の実践に役立ち得るようなものではない。本研究は、地域類型(旧住民層地域、混在地域、新住民層地域=賃貸居住地域と分譲居住地域)の視点から自主防犯ボランティア活動の特質を整理しようとすると同時に、インタビュー調査を通して活動の成立・展開の具体的なプロセスを明らかにし、実践的手がかりを得ようとするものであり、現場に有益な知見を提示し得るものである。 本年度は、予備調査をしたうえで、福岡県内の自主防犯ボランティア団体の代表者を対象に郵送調査を実施して量的データを取得し、統計処理によって地域類型間の相違を明らかにする計画であった。 調査研究を進めるにあたっては、福岡県警察本部生活安全総務課安全安心まちづくり推進室に多大なご協力をいただき、防犯アドバイザーに対する予備調査、台帳の作成、郵送調査の実施に到達することができた。送付調査票数は1432、有効回収票数は776、有効回収率は54.2%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査にあたっては、福岡県内の自主防犯ボランティア団体の代表者の氏名・住所を把握する必要がある。当初は、HP「あんあんネット」の公開情報に基づいて台帳作成をしていたが、これには限界があり、福岡県警察本部生活安全総務課安全安心まちづくり推進室及び県内の各警察署にご協力いただくこととなった。また、予備調査の段階でさまざまな改善点がみつかり、調査票の修正を幾度となく行なった。こうしたプロセスに時間を要したことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、回収票の回答をSPSSに入力し、調査結果の分析を進めるとともに、報告書原稿の作成・印刷、調査対象者及び関係協力者への報告書の発送を行ない、またインタビュー調査を実施して解釈・理解を深化させ、地域における報告会・検討会の実施を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、報告書の印刷費・発送費に充てる計画である。
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