研究課題/領域番号 |
23730817
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
若有 保彦 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30451652)
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キーワード | 台湾 |
研究概要 |
研究課題「台湾の中学校英語授業における教材の実態調査」は、日本と同じような言語学習環境にあると考えられる台湾の生徒が、日本の生徒よりもなぜ高い英語力を有するのかという疑問に答えるために、中学校の英語授業において教材がどのように使用されているか実態を調査し、そこで使用されている教材の分析を行うことを目的としたものである。この目的を達成するために策定された実施計画において、平成24年度は調査準備及び実施期間に設定されていた。 平成24年度の調査準備及び実施期間においては、研究協力者を確保すること、研究協力者を通じて台湾の中学校関係者と連絡をとること、調査対象の中学校を選定すること、アンケート及びインタビューの質問項目の研究協力者への確認及び修正、アンケートの翻訳の依頼、調査の実施及びデータの収集、収集したデータ分析の実施を予定していた。 上記の実施計画のうち、研究協力者の確保、調査対象とする中学校の選定については、当初の計画を一部修正した上で実施することができた。具体的には、調査対象の中学校について、研究協力者との相談の上、卒業生の進学実績の点から判断してレベルの高い英語教育が行われていると考えられる台中地域の1校に限定して行うこととした。また、調査対象とする中学校については、生徒の英語能力が比較的高い学校であるため、研究協力者への中国語への翻訳依頼は行わず、研究代表者が準備した英語の質問に直接英語で回答してもらう形に変更することとした。これらの方針について決めることができたという点では、本研究の実施に一定程度の進展はあったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度については、(1)研究協力者を確保すること、(2)研究協力者を通じて台湾の中学校関係者と連絡をとること、(3)調査対象の中学校を選定すること、(4)アンケート及びインタビューの質問項目の研究協力者への確認及び修正、(5)アンケートの翻訳の依頼、(6)調査の実施及びデータの収集、(7)収集したデータ分析、の実施を予定していた。 このうち、(1)及び(3)、すなわち研究協力者の確保及び調査対象の中学校の選定については、当初の計画を一部修正した上で実施することができた。また、(5)については、調査対象とする中学校の生徒の英語能力が比較的高いため、研究代表者が準備した英語の質問に直接英語で回答してもらうこととなり、研究協力者への中国語への翻訳依頼は行わないこととなった。 一方で、(2)、(4)、(6)、(7)、すなわち研究協力者を通じて台湾の中学校関係者と連絡をとること、調査対象の中学校を選定すること、アンケート及びインタビューの質問項目の研究協力者への確認及び修正、調査の実施及びデータの収集、収集したデータ分析、の実施に関しては、研究協力者の勤務先の多忙化の問題や、研究代表者の勤務校の改組への準備に伴う多忙化、また研究代表者の家族の健康問題に関する対応など、想定外の事態が平成25年に入って発生したこともあり、本来は年度末、すなわち平成25年3月に予定していた調査対象となる学校への訪問を予定通り実施することができなかった。このように、計画通り順調に進展したとは言えない面があったため、「やや遅れている」を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進の予定について、当面は前年度に達成できなかった項目、すなわち(1)研究協力者を通じて台湾の中学校関係者と連絡をとること、(2)アンケート及びインタビューの質問項目の研究協力者への確認及び修正、(3)調査の実施及びデータの収集、(4)収集したデータ分析、についてできるだけ速やかに実施することを予定している。 このうち(1)及び(2)、すなわち台湾の中学校関係者への連絡、アンケート及びインタビューの質問項目の研究協力者への確認及び修正については、今年度の前半、具体的には平成25年4月の実施を予定している。また後半には、今年度の実施計画で当初予定していた項目である(3)及び(4)、すなわち調査の実施及びデータの収集、また収集したデータの分析を実施する予定である。 今後の研究の推進を図るために、研究代表者が研究協力者及び調査対象となる学校を実際に訪問し、そこで話し合いを行うなど、直接的なコミュニケーションの機会を持ちたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度においては、研究費の約半額に関して旅費に使用する予定である。旅費の内訳については、研究代表者の勤務先がある秋田から東京への移動、東京から台北への移動、また台湾の中での移動に伴う費用、また出張中の滞在費として使用する予定である。また残りの研究費のうち、約4割については物品費、具体的には分析に必要な教材の購入、インタビューの実施に必要な録音機器(ICレコーダー)の購入、アンケートの印刷に必要なインクカートリッジなどの購入費用に充当する。残りの1割に関しては、資料の収集や整理に関して研究協力者への謝礼等に使うことを予定している。
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