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2011 年度 実施状況報告書

文章表現における児童生徒の相手意識とコミュニケーション方略に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730823
研究機関宇都宮大学

研究代表者

森田 香緒里  宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20334021)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード相手意識 / 作文 / 文章表現 / 発達過程 / 国際比較
研究概要

本年度は、文章表現における児童生徒の相手意識と言語調整行動に関する国内外の文献を収集し、先行研究の整理を行った。その上で本研究の位置づけを行い、意義を明確化した。この成果については「第51回人文科教育学会」で発表し、専門家らから意見を聴取することができた。具体的な成果の内容は、以下の通りである。1 相手意識が文章産出過程においてどのように機能するかを、認知心理学における「作文産出過程モデル」を援用して確認し、「文章産出過程における相手意識の機能モデル」を仮説的に提示した。2 国内外の作文指導、認知心理学、日本語教育、社会心理学等の領域から本研究に関わるものを検討した結果、相手意識と文章産出については、以下のような研究状況にあることを整理した。(1)書く行為を成立させ促進させる条件の一つとして、「読み手」が設定されている。(2)課題設定としての「読み手」に詳細な情報が付加されているほど、書き手は評定の高い文章を書く傾向にある。3 2の成果から、インプットとしての「読み手」―アウトプットとしての文章表現、という相関に迫るような研究についてはある程度成果が上がっているものの、二者をつないでいる書き手の「選択意識」については必ずしも明らかにされていないことを指摘した。 1~3の成果をふまえ、次年度実施予定の調査課題および調査方法についての再検討を行った。同時に、英国での調査についても準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の計画であった「国内外の文献を収集し理論的検討を行う」という作業はおおむね順調に進んだが、日本の小中学校での作文調査および分析については実施できなかった。これは、理論的検討が進むにつれ、諸外国での新しい作文調査法に目配りする必要が生じ、作文課題の設定に慎重にならざるを得なかったためである。次年度の英国での調査と並行するかたちで、日本での調査も行っていきたい。

今後の研究の推進方策

次年度に英国での調査を予定していたが、調査対象が現地校(初等学校、中等学校)のため、セキュリティ上の問題や個人情報の問題等から、海外調査の遂行が困難になる見通しとなった。そのため、海外調査機関に調査の代行を依頼する予定である。この方法が、前述の問題をクリアし最も円滑に研究を遂行できると判断したためである。すでに海外調査機関には調査対象校を検討してもらっている段階であり、あとは作文課題と調査方法を吟味し確定することになっている。 また、日本の小中学校での作文調査については、既に協力校に依頼済みであり、担当教諭らとの協議を始める予定である。

次年度の研究費の使用計画

今年度、日本の小中学校での調査を実施しなかった分(旅費等)、またその結果を分析しなかった分(謝金等)が、次年度の研究費として持ち越されることとなった。これはそのまま次年度の使用予定となる。 また、海外調査のため外国旅費を予定していたが、既述の通り海外調査機関に調査代行を依頼することとなった。これによって外国旅費は「調査代行費」に変更して計上する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 文相表現における児童生徒の相手意識と言語調整行動―「相手意識」に関する先行研究の検討―2011

    • 著者名/発表者名
      森田香緒里
    • 学会等名
      第51回人文科教育学会
    • 発表場所
      筑波大学附属中学校
    • 年月日
      2011年9月3日

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公開日: 2013-07-10  

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