本研究では、児童が文章表現を行う際、相手によってどのようなコミュニケーション方略を用いるかについて、日英で国際比較調査を行った。小学校低学年においては、日本人児童は相手に応じてトピックを変更させるという方略をとるのに対し、英国人児童は語句レベルでの補足情報の付加という方略をとることがわかった。 また、こうしたコミュニケーション方略がどのような発達過程を示すのか、小学校児童作文の日英比較を行ったところ、日本人児童の方がより複雑な発達過程を経ること、また英国人児童に比べ多様なコミュニケーション方略を持ちうる可能性があることがわかった。
|