研究課題/領域番号 |
23730849
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
空 健太 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (30548285)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 教科教育学 / カリキュラム / 授業構成 / アメリカ合衆国 / 世界史教育 / AP世界史コース / 教授方法 |
研究概要 |
本研究の目的は,教師が優れた世界史教育を実践する論理を明らかにしたモデルを提示することである。そのために米国のAP(Advanced Placement)世界史コースを対象とした。初年度である平成23年度の研究は,AP世界史コースの構造を計画(意図したカリキュラム)レベルで明らかにすることであった。そのために主に次の3点を行った。(1) 現代の米国における世界史教育に関する論文・文献の調査および分析。(2) AP 世界史のフレームワークや州の世界史スタンダードや使用されている教科書・教材の調査・分析。(3)夏に行われたAP教師が一同に集うAnnual Conferenceへの参加を通してのAP による教師トレーニングの予備調査。以上の3点である。 以下,その成果を要約し本年度の研究成果の意義を述べる。AP世界史コースとは,歴史家の用いるスキルを理解・獲得し,それにもとづき同時代あるいは長期の変化というグローバルな世界史を対象とした歴史的主張を構成する能力の育成を主たる目標としている。その目標を達成するために,テーマ構成によって世界史の教育内容を組織し,そこで実施される授業もまたテーマ的かつ特定のスキルを目標に組織され,授業方法は生徒の主体的な活動を中心とするインタラクティブなものが求められる。このようにAP世界史の構造は,カリキュラムから試験まで非常に一貫性の強い構造であるといえる。これまでAP世界史コースはその試験問題に関心が集まっていたが,カリキュラム・授業・試験が一貫した構造をもつものであることを明らかにし,優れたプログラムの実態を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H23年度に研究費の一時的な減額が予定されていたため,夏に予定した出張を1つ行わなかったため。H24年度に実施予定。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に明らかにしたのはAP世界史の計画レベルのカリキュラムの構造である。実際にAP世界史を実施する教師が作成したシラバスや授業はどうなっているのかなど,教室現場の実践にさらに接近する必要がある。したがって平成24年度は,実践レベルのカリキュラムの調査を行っていく。具体的にはAP世界史を実践する教師へのインタビューや教師が作成したシラバスやレッスンプランの分析を行い,教室現場により接近して得られるデータにもとづきモデルを構築していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
実地調査が中心となるため,研究費は主に旅費として使用する計画である。
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