本研究では、画面表示と印刷物における弱視者の読書の特徴について調べ、電子教科書を弱視児が使うという観点から考察することを目的とした。画面では顔を近づけても読む面が暗くならないことの影響について検討し、また、印刷物とタブレット端末の読書における視距離や頭、眼や手の動き、動かし方について比較検討した。その結果、弱視児者のタブレット端末による読書行動は、印刷物の場合と変わらないこと、つまり電子教科書でも従来の教科書同じように読書を行えると考えられた。さらに、読む面が暗くならないことにより、負担感無くより小さな文字サイズで読書を行えること、簡単に白黒反転できることの利点が考えられた。
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