本研究の主たる目的は、筑波大学障害学生支援室の開設により実施されてきた障害学生支援者養成講座の内容、とりわけ本研究代表者が中心となって関わってきた視覚障害学生支援者養成プログラムの内容を整理・分析し、全国の大学で利用可能な汎用性のあるプログラムを提案することである。平成25年度は、前年度までの研究結果を踏まえて、主に以下の事項について検討した。 1.視覚障害学生支援者養成プログラムの作成:筑波大学において平成17年度より開始された「視覚障害学生支援者(ピア・チューター)養成講座」(当該大学の学生対象)のカリキュラム及び教材の内容、受講者への事後アンケート結果等を整理・分析してプログラムの再構成を重ね、汎用性のあるプログラムを作成した。テキストデータ化の基礎講習のみならず、視覚障害の理解を目的としたシミュレーション体験プログラム、より効率的なテキストデータ作成等を目的としたスキルアップ講習のプログラムも含めた総合的な支援者養成プログラムとした。 2. 他大学における実践の効果の確認:1.の支援者養成プログラムを受講した私立大学の職員等に対して聞き取り調査を行い、プログラムの汎用性が確認されるとともに、受講後のテキストデータ化の実践状況と課題が明らかになった。 3. 基礎資料の収集:米国ライトハウス・インターナショナル及び全米視覚障害連合を視察し、視覚障害教育、就職支援等に関する実態と課題に関する資料収集を行なった。また、米国障害学生支援会議に出席し、視覚障害学生に対する支援体制に関する情報交換・資料収集を行なった。
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