研究概要 |
本研究は現在3年計画の3年目を終えたところであるが,研究の実施において研究代表者が所属機関を異動したため,研究の進捗が遅れており,1年延長することとなった. 本研究のテーマは発達障害者の超短時間雇用である.本研究は進捗の遅れから,24年度(2年目)の後半から,研究計画を変更している.具体的には参加者を多く集めた数量的評価よりもむしろ,個別ケースの支援や合理的配慮に関する効果の評価,就労側および雇用側をターゲットとした就労支援のあり方に関する調査に切り替えている. 3年目となる25年度は,就労支援に関して,上記を検討し,部分的なデータを活用して2つの研究発表を行った. ひとつは,障害者雇用に関する合理的配慮の一環として,携帯情報端末アプリケーションがどのように障害支援技術として活用できるか検討したものである.1000を越える数のアプリケーションを分類し,障害に起因する就労上での困り感に応じた支援アプリを整理した.なお,この成果は,ヒューマンインタフェース学会研究会で報告した. つづいて,本研究参加者の個別ケースの分析として,インターネットでのソーシャルネットワーキングサービスの活用が,コミュニケーションが困難な発達障害のある人の支援に役立つ事例を分析し,論文としてまとめた.本研究成果は「コミュニケーションが困難な発達障害のある人のキュレーティング・コミュニケーション」として認知科学, 21(1), 45-61.に掲載された.
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