研究課題/領域番号 |
23730856
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 武夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (00379869)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高次脳機能障害 / 支援技術 / 合理的配慮 |
研究概要 |
視空間認知および汎注意性障害のある高次脳機能障害のある当事者およびマイルドな短期記憶障害,遂行機能障害,汎注意性障害のある高次脳機能障害のある当事者に対して,日常生活での困難および生活と学習上の目的に関するヒアリングを行い,それに基づいた支援技術の提案とフィッティングを行うことで,彼らに適した支援技術の利用モデルを構築した。またモデルの構築に際して,先行研究に加え米国ワシントン大学および米マイクロソフト社を訪問し,支援技術の活用事例について情報交換を行い技術の選択およびフィッティングの参考とした。 具体的には,視空間認知から生じる文字情報を得る上での読み困難を支援する音声読み上げ及び視覚的注意ガイド(ハイライト),概念マップによる口頭で伝達される情報の保障および行うべき行動の構造化,携帯機器を活用したリマインダおよび情報記録メモの一元化と検索,記憶を保障する構造化されたメモの作成ができるようフィッティングを行った。パソコンを使用した入力作業およびレポート作成作業およびそれに伴う共同作業者とのコミュニケーションを定期的に行い,一連の作業において支援技術による自立を目指した個別支援計画を策定した。 また,各事例モデルごとに,個別の支援計画に基づいた支援技術利用の効果が得られているかどうかについて,各個人のニーズ(書字,読字の量および理解度,予定把握,その他の記録やコミュニケーション,その他)ごとに当事者の合意に基づいた範囲で実証的データを収集するための行動記録(パソコンによる作業内容の記録,メモの保存,キータイプの保存)を行うことができる環境を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である,個別事例モデル(高次脳機能障害当事者の個々の困難に対する支援技術のフィッティング事例)およびその事例におけるエビデンス収集環境の構築を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的に従い,平成23年度の計画後半で着手した個別事例の構築と効果についてのエビデンス取得を継続的に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の目的に従い,支援技術機器の更新(物品)および海外での研究発表・研究交流(旅費)に使用する。
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