本研究では、特別支援学校(肢体不自由)の卒業生の生活の実態と保護者の学校教育に対する評価、在学時の指導を担当した教師による実施した指導の評価に基づき、在学時の自立活動を中心とした指導の成果と課題を明らかにすることを目的とした。保護者も教師も在学中の身体面に焦点を当てた指導を評価したが、卒業後の生活を見据えた指導が不十分であったことを指摘した。また、外界への関心の向上や人と関わる力については、より意図的な指導が求められた。今後の課題として、自立活動の指導における教師の力量を高めるための校内体制の工夫や、卒業までに必要な教育の内容や方法について各校で検討することの重要性が示唆された。
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