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2011 年度 実施状況報告書

視線計測を用いた読み支援システムの作成と評価

研究課題

研究課題/領域番号 23730869
研究機関金沢工業大学

研究代表者

伊丸岡 俊秀  金沢工業大学, 情報学部, 准教授 (20387351)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード読み困難 / 学習障害 / 視線 / 眼球運動 / 心理実験
研究概要

第一に、読み支援システムのプロトタイプ作成に先立ち、与える手がかりに関する適切なパラメータを決定するための基礎実験を行った。これまでのところ、パラメータとして、手がかりの提示タイミング、手がかりの色、手がかりの提示位置を変更して測定を行った。手がかりの提示位置について読字位置に直接手がかりを与えても促進効果が得られにくいことが示された。ただし、手がかりの効果が大きくなる手がかり位置についてはまだ明らかにすることができてないため、引き続き実験を続ける必要がある。また、他のパラメータに関しても今後継続して実験することで明らかにする必要がある。 第二に、実際に読み困難を持つ児童の文章よみの実態を明らかにするため、近傍にある小学校の協力を得て測定の試みを始めた。対象児童は小学校の教員の選択により決定し、現在のところ2名の児童の協力を得た。一名の児童では長文を読む際に前半は健常児に近い視線パタンを示すのに対して後半では視線の動きが小さくなること、また詩のような短い文章よりも長い文章の方が視線パタンの乱れが大きくなることが示された。残り一名の児童は視線パタンは健常児と同等であり、読み困難の原因の多様性を示す結果といえる。 これら、一年目の研究によりいくつかの問題点が明らかになった。まず、児童の測定にあたっては現在使用中の眼球運動測定装置では児童への負担の面で限界があること。この問題点に関しては、身体接触が必要ない装置を現在作成中であり、今年度の測定では改善できる見込みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

プロトタイプ作成のためのパラメータ決定に必要な基礎実験を行なっている。多くの実験が必要なため時間のかかる作業であり、当初の計画通りである。基礎実験と並行して小学校での測定も始めることができたため、概ね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

基礎実験に関してはこのまま継続し、できるだけ早い時期でのパラメータ確定を目指す。小学校等での測定では現行の眼球運動測定装置ではなく、非接触型の装置に変更した後に測定を再開する。非接触型の装置は、そのまま本研究課題の目的である支援システムへの援用できる可能性もあるため、できるだけ低コストな装置の作成を目指す。

次年度の研究費の使用計画

前年度基礎実験実施に多くの時間が割かれたため、作成予定のシステムを用いた実験用に確保した謝金に関しては支出を行わず、翌年度に繰り越すこととなった。今年度は非接触型装置のためのCCDカメラ、赤外線照射装置を複数台購入し、システムの試作を急ぐ。システム作成後、実験協力者への謝金や実験に関わる旅費を支出予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハイライト表示を利用した文章理解補助2011

    • 著者名/発表者名
      藤本達哉・伊丸岡俊秀
    • 学会等名
      北陸心理学会第46回大会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2011.11.12

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公開日: 2013-07-10  

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