自閉症スペクトラム障害 (ASD) は,クロスモーダルの情報処理の統合に困難を抱えているという証拠がある。本研究は,ASDのある子どもが視覚と聴覚間のクロスモーダル処理に困難があるかどうか,10人のASDのある子どもと11人のIQと年齢、性を統制した子どもで検討した。結果はaudio-visual gap/overlap課題では,ASDのある子どもにおいて統制群よりも反応時間が遅延した。対照的に,通常のgap/overlap課題では統制群と同様の行動成績を示した。これらの結果は,ASDのある子どもは注意を視覚と聴覚に同時に向けるのが困難であることを示唆している。
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