研究課題/領域番号 |
23740005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
MILANOV Todor 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (80596841)
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キーワード | エイナル-オランタン漸化式 / 周期積分 / フロベニウス構造 / 頂点作用素 |
研究概要 |
私の研究の主要目標は単純楕円型特異点に対する分配関数の計算を可能にする頂点作用素代数の表現を得る事である。私のアプローチは単純特異点の場合Bojkoa Bakalovと共同で発展させた有る構成に基づいていた。その構成法は全ての特異点に対し一般化されるものと信じる。昨年度は私はその問題を異なる視点から重要な発見を行った。10年前に、EynardとOrantan はアッフィン曲線とその上の有る追加条件を満たす二つの有理関数に基づいて Topological Recursion Relation (TRR) を提案した。彼らの提案は行列積分により定義された分配関数に基づく。特異点論に於けるcorelationはある種のEynard-Orantan recursion を満たす事が分る。実際特異点を変形しTRRの族を構成出来る。最も生成的な変形に対してはどの様にEynard-Orantan recurtionを構成したら良いかは分っている。私は Eynard-Orantin TRR は幾つかのヴィラソロ制限のコピーと同値である事を証明した。そこで主要な課題は生成的でない変形に対するTRRを得る事となる。私はこの課題を非生成的な変形(causitic)の生成点で解いた。特にギベタルによる12年前の予想(それはChiodo-RuanのLandau-Ginzburg/Calabi-Yau 対応において重要である)の証明を得た。A型特異点の時には、Eynard-Orantin recursion がどの変形でも成り立つ事を示せる。特に特異点を変形しない時には、Eynard-Orantin TRR は B.Bakalov との共同研究に於ける頂点作用素制限と同値である。当初目指していた頂点作用素制限は特異点に対する Eynard-Orantin recursion と同値である事を期待する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
私は現在(2)と(3)の間の段階にいると考えている。しかし、当初計画よりやや遅れているかもしれないが、一方で私は新しい研究の方向性を発見した。それは当初の難問を解決するに役立つものと信じる。
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今後の研究の推進方策 |
私は上に述べた様な予想:ADE特異点に対する Eynard-Orantin recursion はB.Bakalovとの共同研究に於けるW-制限と同値である事を検証したい。それが出来れば,次には境界特異点に対しても同じ事を問いたい。本年度、私は私の共同研究者B.Bakalovを訪問したが、我々の当初のアプローチは何か難しいものがある。Eynard-Orantin recursion は何処に難しさがるのかを見るのにきわめて有効を思われる。此れ等の予備的な場合を済ませた後に、元来の目標であった二つの場合:射影直線及びその軌道空間版および単純楕円特異点のグロモフ・ウィッテン不変量に集中する事が出来る。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、夏に共同研究者であるHsian-Hua Tseng准教授のカブリIPMUへの招聘(200,000円)、上海におけるワークショップ参加(200,000円)、京都大学入谷寛准教授訪問(100,000円)、書籍購入(40,000円)に使用する予定である。
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