研究課題/領域番号 |
23740013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 直毅 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (90597775)
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キーワード | Galois 表現 |
研究概要 |
高さ $h$ の $p$ 可除群の変形空間である Lubin-Tate 空間のコホモロジーに,$GL_h$ に対する局所 Langlands 対応及び局所 Jacquet-Langlands 対応が実現されることは,大域的な手法を用いて Boyer と Harris-Taylor によって証明されているが,このことの純局所的で幾何的な証明を与えることは,この実現のより良い理解を得るうえで重要な問題と思われる. 今年度は,$h$ が $2$ の場合に導手指数 $3$ の表現に対する局所 Langlands 対応が Lubin-Tate 空間のコホモロジーに実現されることを純局所的に証明した. より具体的には,まず,レベル $3$ の Lubin-Tate 空間の安定形式モデルを決定した.さらに,得られた安定モデルの情報を用いて,Lubin-Tate 空間のコホモロジーに局所 Langlands 対応が現れることを示した. 剰余標数が $2$ の場合,$GL_2$ に対する局所 Langlands 対応は Weil 表現を用いて構成されている.一方,Lubin-Tate 空間のコホモロジーに現れる対応は cuspidal type を用いて記述されるので,現れた対応が実際に局所 Langlands 対応であることを示すのは非自明な問題である.本年度は,イプシロン因子を計算することによって,このことを示した.言い方を変えると,導手指数 $3$ の場合に,局所 Langlands 対応の cuspidal type による記述を与えることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
導手指数 $3$ の場合ではあるが,局所 Langlands 対応の実現の純局所的な証明や,cuspidal type による記述が得られるなど,本研究はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,Scholze-Weinstein によって導入された Lubin-Tate perfectoid 空間を用いて,一般次元の場合の局所 Langlands 対応の実現について研究していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
国内外で行われる研究集会に参加し情報収集を進めていく. また研究に必要な書籍等を購入する.
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