研究課題
超平面配置の補集合のトポロジーを超平面配置の実構造、組合せ論的構造やモジュライ空間の観点から調べた。特に直線配置の補集合の局所系係数ホモロジーの次元が組合せ論的に決まるか?という問題を念頭に研究を行った。申請者はこれまでに超平面配置の補集合の極小セル分割の構造を実構造を援用することで記述する研究を行っていたが、これまでの研究に基づき、局所系係数ホモロジーの計算アルゴリズムを考案した。このアルゴリズムは実効性という観点から優れており、これまでコンピュータに依存していたいくつかの例に対して手計算で確認できるまで単純化することができた。このアルゴリズムを利用して体系的に多く例に対して局所系係数ホモロジーの計算を実行した。現時点では多くの非自明なケースで上記の問題(局所系係数ホモロジーの次元が組合せ論的に決まるか?)が肯定的に成立していることが確認された。このアルゴリズムの特殊な場合として、直線配置のミルナーファイバーのベッチ数の計算アルゴリズムが得られる。このアルゴリズムは直線配置の「部屋」の隣接関係を使って記述され、ミルナーファイバーに関する定性的な結果や多数の予想が得られたことは予想外の成果であった。上記組合せ論的決定性に関しては、ある種のモジュライ空間の連結性から説明されるのが自然である。直線-二次曲線配置の Zariski 対を網羅的に探すために、直線-二次曲線配置のモジュライ空間の既約性に関する基礎研究を開始し、次数が低い場合にモジュライ空間の既約性を証明した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
Annali della Scuola Normale Superiore di Pisa
巻: 11 ページ: 921-937
10.2422/2036-2145.201009_003
Configuration Spaces: Geometry, Combinatorics and Topology, CRM Series, Ed. Norm., Pisa, 2012
巻: 14 ページ: 503-533