研究課題
1.概積・概複素構造を持つ多様体から実アファイン空間へのアファインはめ込みによる部分多様体の特徴付けを行った。応用として、計量を備えた多様体である(パラ)ケーラー多様体、概積リーマン多様体のはめ込みの性質について調べた。具体的には(1)複素多様体からのアファインはめ込みは誘導接続が完備で、そのアファイン基本形式が(反)対称かつ、アファイン基本形式の零化空間の余次元2または4であれば、柱状又は線織的。特に、超曲面は柱状。(2)概積構造を持つ多様体からのアファインはめ込みは誘導接続が完備で、アファイン基本形式が(反)対称かつ、そのアファイン基本形式の零化空間が余次元1、2ならば柱状又は線織的。(3)完備パラケーラー多様体からのパラ多重調和等長超曲面は柱状。平坦でないパラケーラー多様体からの等長はめ込みに対して、パラ多重調和性と極小性は同値なので、これは極小部分多様体に関する結果と見なせる。またこれらの結果を用いて、余次元が1、2の場合に、このようなはめ込みの分類を得た。2.筑波大学の守屋克洋氏との共同研究において、リーマン面から球面への調和写像を用いて、tt*束を構成した。これは四元数構造、及びクリフォード代数の構造が持つ性質を用いたもので、既に知られている多重調和写像を用いた構成法とは異なる。3.幾何学シンポジウム等の研究集会に参加し、継続的に情報収集を行った。特に平成23年11月には中国に出張し、清華大学、北京大学でtt*構造に関連した講演を行った。更に清華大学教授馬輝氏と特殊ラグランジュ幾何学とtt*構造との関係について議論を行った。スペシャル複素幾何も含めたこれらの関係については研究を継続しており、さらに統計多様体の持つ性質との関連についても研究を進め、平成25年3月には北海道大学でのミニワークショップで部分的な結果を報告した。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Results in Mathematics
巻: 63 ページ: 115-128
DOI:10.1007/s00025-011-0165-2
Differential Geometry and its Applications
巻: 30 ページ: 227-232
Annals of Global Analysis and Geometry,
巻: 42 ページ: 333-347
10.1007/s10455-012-9315-3