研究概要 |
本研究の最終目的は,3次元球面内の交代結び目に沿った例外的デーン手術(双曲結び目に沿った非双曲的多様体を生成するデーン手術)の完全分類を得ることであった。より具体的な目標は,ツイスト数が8以下の交代図式を許容する交代結び目に沿ったザイフェルト手術の完全分類を与えることとしていた。最終年度に実施した研究の成果として,論文「Seifert fibered surgery and Rasmussen invariant」(Contemporary Mathematics, vol. 597, Amer. Math. Soc., Providence, RI, 2013, pp. 321-336)では,(p,q,q)型交代的プレッツェル結び目がザイフェルト手術を持たないことを,研究計画にあげたラスムッセン不変量を利用することにより証明した。また論文「Toroidal Seifert fibered surgeries on alternating knots」(Proc. Japan Acad. Ser. A Math. Sci. 90 (2014), No. 3, 49-65)では,交代結び目に沿った本質的トーラスを含むザイフェルト多様体を生成する手術の完全分類を与えた(共に鄭仁大氏(近畿大学)との共著)。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として,最終目的であった交代結び目に沿った例外的手術の完全分類を達成し,論文「Exceptional surgeries on alternating knots」(正井秀俊氏(東京工業大学)との共著)としてまとめ,現在,投稿中である(プレプリントとしてarXiv:1310.3472にて公開)。
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