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2011 年度 実施状況報告書

縮小型事前分布によるベイズ統計的推測の理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23740067
研究機関東京大学

研究代表者

丸山 祐造  東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (30304728)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード統計学 / ベイズ統計学 / プロビットモデル
研究概要

平成23年度は,主にプロビットモデルにおけるベイズ統計的推測を考えた.プロビットモデルは,目的変数がバイナリーである場合に線形回帰モデルを拡張したモデルである.サンプル数が少ない場合は,最尤推定量及びそれに関連する漸近理論は,理論的根拠がなくなり,正確性を欠く.その場合に無情報事前分布を想定するベイズ理論は,オルタナティブとして,重要だと考えられる.回帰係数のベイズ統計的推測を考えた時,これまでほとんど理論的な考察は行われていなかった.具体的にはMCMC samplerにより,乱数を発生させて,その標本統計量を用いて統計的推測を行うという計算機インセンティブな方法が,デフォルトとして広く使われて来た.理論的な結果がほとんど得られてこなかった理由は,同時分布関数が場合分けを含んでおり,数学的に取り扱いづらかったからである.この度,私は同時分布を極座標を用いて表すことにより,取り扱いをかなり容易にした.無情報事前分布のもとでは,事後分布は同時分布関数に比例する.私は,極座標表現による同時分布関数の性質を利用して,1.この事後分布が3段階の階層構造を持つこと,2.そのうちの2つは正規分布とカイ二乗分布であり,乱数の発生が容易なこと,(もう一つは,やや取り扱いづらくチャレンジングな課題として残っている)を示した.これにより,モンテカルロ法による乱数発生が可能となり,既存のMCMCサンプリングよりも効率的な乱数発生が期待される.さらに,回帰係数のベイズ推定量の明示的な表現が,既に述べた階層型の事後分布を用いて得られることも分かった.これらの結果は,Arxivにプレプリントとして置いた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

正規分布を仮定した通常の線形回帰モデルだけでなく、より取り扱いが難しいと考えられていたプロビットモデルにおける推定問題を扱うための基本的道具を得たので。

今後の研究の推進方策

23年度に得られたプロビットモデルにおける結果は、主に推定問題に対してである。非常に次元が高いデータにおいては、有効な変数を抽出することが大事であり、これについてベイズ型変数選択規準を導出したい。同じ問題意識を持つアメリカ・ペンシルバニア大学のGeorge教授と共同研究を始めたところである。

次年度の研究費の使用計画

23年度と同様に、外国出張の旅費として大部分を支出する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Fully Bayes Factors with a Generalized g-prior2011

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama and Edward, I. George
    • 雑誌名

      Annals of Statistics

      巻: 39 ページ: 2740-2765

    • DOI

      10.1214/11-AOS917

  • [学会発表] Robust Bayesian variable selection with sub-harmonic priors2011

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama
    • 学会等名
      the 2011 International Workshop on Objective Bayes Methodology(招待講演)
    • 発表場所
      East China Normal University, China
    • 年月日
      June 15, 2011
  • [備考] home.csis.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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