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2012 年度 実施状況報告書

縮小型事前分布によるベイズ統計的推測の理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23740067
研究機関東京大学

研究代表者

丸山 祐造  東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (30304728)

キーワード統計科学
研究概要

誤差項が必ずしも正規分布とは限らない一般球面対称分布に従う場合の回帰モデルに対するベイズ型変数選択を考えた.Zellnerのg-priorの尺度混合分布としての劣調和型事前分布を考えた.結果として,誤差項が球面対称分布であれば,Bayes factorが正規分布のもとでのそれに一致することを示した.そのため,我々の方法は,ロバストなベイズ型変数選択方法と考えられる.また,そのBayes factorは良いBayes factorが持つべき性質であるcoherentであることも示される.さらに,誤差項が正規分布の場合において数多く研究されてきたBayes factorのラプラス近似についても,発展的な結果を与えた.近似の結果として,Bayes factorは正規分布のもとでのBIC型のBayes factorを,(i)事前分布の超母数,(ii)対応する部分モデルの決定係数,(iii)対応する部分モデルの説明変数の数,の3つを引数とする単純な有理関数で修正した形になることが示された.また,提案するBayes factorは良いBayes factorが持つべき性質である一致性を持つことも示された.ここで列挙したロバスト性,一致性,coherent性を保証する事前分布は,本質的に劣調和型事前分布だけに限られることも示された.数値シミュレーションや2つの実データセットに対して,提案するBayes factorがBICに比べて良いパフォーマンスを示すことも例証された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書で書いたとおりに,研究費の多くを共同研究者との打ち合わせのための旅費として使用してきた.またそれに応じて理論的な結果を出した.いくつかの結果については論文としてまとめた.

今後の研究の推進方策

共同研究者であるペンシルバニア大学のGeorge教授との研究打ち合わせのため,同大学を訪問して,最終的には現在準備中である論文の投稿を目指す.研究費の残額は研究打ち合わせのための旅費,およびその結果を国際学会で講演する場合の旅費に用いる.

次年度の研究費の使用計画

研究費の主な用途として,共同研究者であるペンシルバニア大学のGeorge教授との打ち合わせ,及び国際学会での講演のための旅費を想定していた.このうち前者についてGeorge教授が学科長となっており,多忙であることで,もともと24年度中に予定していた訪問が不可能となった.現在25年度前半のうちに先方を2週間程度訪問するという事で話が進んでいる.また得られた結果を学会発表することも計画している.これらのための旅費を主たる使用内容とする.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Improved robust Bayes estimators of the error variance in linear models2013

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama and William E. Strawderman
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Planning and Inference

      巻: 143 ページ: 1091-1097

    • DOI

      10.1016/j.jspi.2013.01.007

  • [雑誌論文] Bayesian predictive densities for linear regression models under alpha-divergence loss : some results and open problems2012

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama and William E. Strawderman
    • 雑誌名

      IMS Collections

      巻: 8 ページ: 42-56

    • DOI

      10.1214/11-IMSCOLL803

  • [学会発表] Posterior inference and model selection of Bayesian probit regression2013

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama
    • 学会等名
      International Workshop on Bayesian Model Selection
    • 発表場所
      East China Normal University, China
    • 年月日
      2013-01-16
  • [学会発表] A Bayes factor with reasonable model selection consistency for ANOVA model2013

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama
    • 学会等名
      International Workshop/Conference on Bayesian Theory and Applications
    • 発表場所
      Banaras Hindu University, India
    • 年月日
      2013-01-09
  • [備考] Yuzo Maruyama's web page

    • URL

      http://home.csis.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/

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公開日: 2014-07-24  

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