研究課題/領域番号 |
23740068
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 広志 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (20378962)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 多品種流 / 施設配置問題 / ネットワークデザイン / メトリック |
研究概要 |
本研究の主な目標である最小ゼロ拡張問題の可解性について大きな進展があった.研究計画当初からの狙いであった「最小ゼロ拡張問題における離散凸性」を見いだすことに成功した.これにより,多品種流の組合せ的双対問題を含む重要なクラスの最小ゼロ拡張問題がある新しいタイプの劣モジュラ関数そしてL凸関数の最小化問題となることがわかった.その帰結として,2004年の論文で提唱されたKarzanovの予想の1つ「あるクラスの最小ゼロ拡張問題は多項式時間で解ける」を肯定的に解決した.そして,もう1つの予想「そのクラスから外れた最小ゼロ拡張問題はNP困難である」に対し,「良い特徴付け」を持つクラスを見いだし,部分的であるが否定的な回答を与えた.現在この結果を論文に纏めている最中である. 有向距離のタイトスパンの理論と有向多品種流への応用を展開した小市俊吾氏との共著論文"On tight spans for directed distances"が受理(accept)された.点容量付き多品種流と領域型施設配置問題の双対関係を論じた"Half-integrality of node-capacitated multiflows ..."が受理された.要求グラフがK3+K3である多品種流問題を論じた論文"Bounded fractionality ... "が受理された. また多品種流に関する自分のこれまでの研究成果に関して国外・国内で招待講演を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上に述べたように平成23年度の研究で見いだした「最小ゼロ拡張問題の離散凸性」は,研究計画当初からの狙いであり,これが達成されたことにより,本研究課題が目指す最小ゼロ拡張問題の可解性問題の解決,そして「多品種流・施設配置・ネットワークデザインを統合する理論」へ向けて,より具体的な前進を示したと考えている. 自由多品種流問題への組合せ的多項式時間アルゴリズム開発は若干遅れているが,基礎的部分を論じた「Half-integrality ..」がacceptされ,またG. Pap氏との共著"Tree metrics and edge-disjoint S-paths"も現在改訂中であり,Publicationにおいては順調であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究で発見した最小ゼロ拡張問題の離散凸性を重点的に研究する.特に,最小ゼロ拡張問題に現れる新しいタイプの劣モジュラ関数・離散凸関数について詳しく研究する.特に,多品種流,その他の離散構造との関連性も重視する.自由多品種流のアルゴリズムに関しては,単純な降下タイプのアルゴリズムから考察を進める.これは上に述べた離散凸性とも深く関係している.ネットワークデザイン問題に関しては,その分数緩和でもあるネットワーク合成問題に対する古典的なGomory-Huの列生成単体法の実験評価と理論評価を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度研究費の繰り越し分は,5月にAtlantaで開催されるGraph Theoryの会議に出席するための渡航費のためである.その他,本年度の研究費の使用計画としては,国外・国内の学会,国内では日本オペレーションズリサーチ学会や日本応用数理学会,に参加するための旅費や,研究に必要な図書の購入,論文執筆の補助のための文具・PC類・ソフトの購入,がある.
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