研究課題
本研究課題の期間全体を通して得られた主な成果は目標としていた多項式時間可解な最小ゼロ拡張問題の特徴付け問題の解決である.この解決の際.導入した新しい離散凸関数は最小ゼロ拡張問題のみならず,多品種フロー問題の双対として表れる最適化問題の多くが,この新しい意味での離散凸関数最適化とみなせることがわかってきた.これにより,期間内に出来なかった最小費用型一様多品種流に対する簡明なアルゴリズム設計への道が開けてきた.本年度4月には,マルセイユのマトロイドの研究集会で研究発表を行った際に,メトリックグラフ理論の第一人者であるV.Chepoi教授とディスカッションする機会に恵まれた.10月のコルシカ島での劣モジュラ性に関するワークショップに参加する際に,再びマルセイユのChepoi教授を訪ね,モジュラグラフの幾何学について研究討論した.これは共同研究へと発展し,現在,共著論文を執筆中である.1月には,人工知能学会の研究集会で,この新しい離散凸関数に関して招待講演をして,機械学習の研究者と研究交流をした.最小費用型整数多品種フローの多項式時間可解性を論じた論文"Tree metrics and edge-disjoint S-paths"( ハンガリーのG.Pap氏との共著)がMathematical Programming誌のアクセプトされた.また,木距離に関す行列式の公式を論じた論文”A combinatorial formula for principal minors of a matrix with tree-metric exponents and its applications"(矢部顕大との共著論文)を執筆した.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Mathematical Programming, Series A
巻: (掲載予定)
10.1007/s10107-013-0713-5
Proceeding of 8th Japanese-Hungarian Symposium on Discrete Mathematics and Its Applications
巻: なし ページ: 209-223