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2014 年度 実績報告書

特異性を持つ非線形積分方程式に対する解の数値的検証法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23740074
研究機関京都大学

研究代表者

木下 武彦  京都大学, 健康長寿社会の総合医療開発ユニット, 講師 (30546429)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード積分方程式 / 微分方程式 / 有限要素法 / 精度保証付き数値計算
研究実績の概要

(1) 本研究で対象とする特異性を持つ積分方程式はそれと同値な特異性を持つ常微分方程式が存在する.当初計画していた二重指数型数値積分公式を用いた積分方程式の解の検証方法は,同様の研究を行っている研究者が国内に居る事がわかり,研究対象を常微分方程式に変更した.線形楕円型作用素の可逆性とその評価はこれまでにも知られているが,それを精査する事で逆作用素の若干の評価の改善に成功した.また,これを元に楕円型作用素に摂動を加えた楕円型作用素の評価を得る手法を考案した.これはラプラシアンのような可逆性や逆作用素ノルムが既知の作用素から徐々に摂動を加えて行き,所望の楕円型作用素に対する可逆性とその評価を得るものである.現在では特異性の現れない所までの摂動に対しては上手く機能している.この事実から通常用いられるの関数空間には本研究で対象となる微分方程式の解が存在しない可能性がある.これに対応する為には例えば重み付き関数空間で解を探す必要があるが,この空間は楕円型作用素の理論では扱えず,従来の精度保証付き数値計算の理論が適用できない.本研究で対象とした最高階微分に特異性が入った微分方程式を扱うためには精度保証付き数値計算の理論の基礎的な部分から構築し直す必要がある事がわかった.

(2) 線形放物型作用素の逆作用素に対する評価方法に取り組んだ.また,その評価を用いた非線形放物型初期境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算法の構築に取り組んだ.従来手法は放物型作用素を半離散化した常微分作用素に対する可逆性を検証していたが,この常微分作用素は固い方程式となるため,効率が悪かった.これに対し,提案手法では放物型作用素に対する離散化誤差評価を用いる事で従来手法よりも効率的な評価が可能となった.本研究成果は論文として公表した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] On the a posteriori estimates for inverse operators of linear parabolic equations with applications to the numerical enclosure of solutions for nonlinear problems2014

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Kinoshita, Takuma Kimura and Mitsuhiro T. Nakao
    • 雑誌名

      Numerische Mathematik

      巻: 126 ページ: 679-701

    • DOI

      10.1007/s00211-013-0575-z

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 線形楕円型作用素に対する Laplacian ノルムの構成的評価2015

    • 著者名/発表者名
      渡部善隆,木下武彦,中尾充宏
    • 学会等名
      日本数学会年会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2015-03-24 – 2015-03-24
  • [学会発表] Some remarks on the rigorous estimation of inverse linear elliptic operators2014

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Kinoshita, Yoshitaka Watanabe and Mitsuhiro T. Nakao
    • 学会等名
      SCAN
    • 発表場所
      University of Wurzburg, Germany
    • 年月日
      2014-09-23 – 2014-09-23
  • [学会発表] 2階楕円型作用素における構成的 Laplacian ノルム評価2014

    • 著者名/発表者名
      渡部善隆,木下武彦,中尾充宏
    • 学会等名
      日本応用数理学会年会
    • 発表場所
      政策研究大学院大学
    • 年月日
      2014-09-03 – 2014-09-03
  • [学会発表] 線形楕円型逆作用素の事後評価とその応用2014

    • 著者名/発表者名
      木下武彦
    • 学会等名
      岐阜数理科学セミナー
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2014-05-16 – 2014-05-16
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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