交付申請書で挙げた (A)「アレフ2に関する反映原理と巨大基数の関係」,(B)「アレフ2に関する反映原理とアレフ1上のイデアルの関係」および (C)「アレフ2より大きな基数に関する反映原理の無矛盾性」について以下の成果を得た. (A) 半定常性反映原理から特異基数における better scale の存在が否定されることを証明した.better scale の非存在は,特異基数仮説とともに,強い巨大基数公理の無矛盾性を導くことが知られている.この結果を含めた,パリ第7大学の Veclickovic 教授との共著論文が,Journal of the Institute of Mathematics of Jussieu に掲載確定している. (B) 強制法公理 MA+ (sigma-closed) から帰結されるアレフ1の組み合わせ論的命題を定式化し,これが既存のど反映原理からも帰結されないことを証明した.この結果と証明から,アレフ1上のイデアルのプレシピタス性については,反映原理とともに,MA+ (sigma-closed) にも注目することが有効であることが明らかになった. (C) 構成可能ユニバース L では,基数 κ で n-定常集合の反映原理が成り立つことと,κ が Pi^1_n-記述不可能基数であることが同値であることを,バルセロナ大学の Bagaria 教授およびヘブライ大学の Magidor 教授との共同研究で証明した.この結果から,より大きな基数における反映原理には,より大きな巨大基数公理の無矛盾性が必要となりそうなことが明らかになった.この結果をまとめた,上記両氏との論文が Israel Journal of Mathematics に掲載確定している.
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