右連続かつ左極限をもつ不連続曲線全体からなるウィーナー・ポアソン空間上でマリアヴァン解析を展開し、飛躍型確率過程に対する密度関数の性質を調べる研究に応用した。確率過程を特徴づけるパラメータに関する密度関数の対数微分は、マリアヴァン解析における部分積分公式から自然に導出されるが、実務的に取り扱われるファイナンスモデルに対して、数値計算を伴った研究結果を得た。更に、非マルコフ過程を定める確率関数微分方程式に対して、大偏差原理とマリアヴァン解析を融合させて、密度関数の漸近的な評価に関する研究結果を得た。過去の履歴の時間間隔パラメータが重要な役割を果たすという、大変興味深い結果である。
|