平成23・24年度に引き続き、点素な星グラフ、及び、他のグラフ(主に「閉路」や「道」)が存在するための十分条件について考察し、以下の研究成果を得た。 1.点素な星グラフが存在するためのErdos型条件 平成24年度までの研究をもとに、十分に大きい星グラフが存在するための Erdos型条件を得ることに成功した。さらに、その証明法を詳しく解析することで、頂点数の小さい星グラフに対するErdos型条件についてもいくつかの結果を得た。また、それらの結果から、星グラフの頂点数に応じた証明法の間の差を見出だすことができた。 2.星グラフと他のグラフとの間の関係性について 星グラフが存在するための十分条件を考察するために、「閉路」や「道」と呼ばれるグラフの存在性について考察を行った。特に、細分操作に関して“閉じていない”グラフの一つである「偶閉路」の存在性に対する証明法は、星グラフに対しても有効的に働く可能性があることが分かった。その手法とは、「細分操作に関して“閉じている”グラフの“部分構造”を考える」というものである。偶閉路のような細分操作に関して“閉じていない”グラフはその存在性を直接証明することが困難な場合があるので、それを回避するために、本研究では偶閉路を常に含むような細分操作に関して“閉じている”グラフを利用することで、偶閉路に対する次数条件を得ることができた。星グラフも偶閉路と同様に細分操作に関して閉じていないので、この証明法が星グラフに対しても有用な方策の一つになり得ることが分かった。
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