研究課題
昨年度の研究を引き続き、非線偏微分方程式の解の検証等の問題に現れる楕円型偏微分作用素の固有値評価問題について、高精度な精度保証付き固有値評価方法の開発を行った。特に、これまでにラプラス作用素に成功した手法を一般的な楕円微分作用素(重調和作用素等)に拡張することは今年度の研究の中心であった。具体的に、今年度の研究成果を以下の二つにまとめる。1)Lehmann-Goerisch の定理の前提条件となる固有値の粗い評価について、研究者は非適合有限要素法 Fujino-Morely 有限要素法を上手く利用ことで、重調和作用素の粗い評価を得た。非適合有限要素法は固有値の下界評価に密接している。特に、非適合有限要素法によって厳密な固有値の下界を提供するのは該当分野における重要な課題である。この研究で開発した手法によると、楕円型微分作用素の固有値の下界評価は同じフレームワークで得られるようなった。2)Lehmann-Goerisch の定理を実際の問題に応用する時、関数空間の設定には工夫が必要である。F. Goerisch 氏、M. Plum 氏などは "spectral shift" 法による関数空間の設定を行っているが、数値計算に多くの手間が必要である。有限要素法は領域の形に自然に対応でき、関数空間の設定について強力な道具である。本研究者は混合有限要素法の研究に発展された鞍点理論と計算手法と Lehmann-Goerisch の定理と組み合わせ、ラプラス作用素と重調和作用素の高精度な固有値評価を得た。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
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