1.多重円板上のハーディ空間の加群構造にはある自己共役作用素が対応する。その作用素を双正則写像で摂動してできる自己共役作用素の族を考え、パラメータを動かした時の固有値、固有関数の振る舞いを調べた。特に、自然な仮定の下で次元が飛び跳ねる固有空間の周辺では固有関数が集積するという現象を詳細に調べた。 2.グラフから再生核ヒルベルト空間を構成できることは知られている。そのグラム行列とグラフのラプラシアンとの関連を調べた。さらに、グラフ準同型写像の研究に de Branges-Rovnyak の理論が導入できることを示した。
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