研究課題/領域番号 |
23740107
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
河備 浩司 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80432904)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 確率解析 / 経路空間 / Gibbs測度 / 一意性定理 / 確率偏微分方程式 |
研究概要 |
今年度は第35回SPAにおいて, 稲浜氏との共同研究に関する内容の招待講演を行った。さらにS. Albeverio, M. Roeckner両氏との共同研究に関する招待講演を2つの国際学会にて行った。この研究の論文改訂作業に少々時間を要したが, 最終的に海外の専門誌に出版された。またBanach空間上の拡散過程に対する汎関数振動積分の漸近挙動をRough Path理論を用いて考察しているが, この研究も論文の完成に向けて推進した. 更に,石渡氏, 照屋氏と三角格子上の非対称ランダムウォークの長時間漸近挙動に関する研究を行い, 離散モデル特有の新たな現象を発見した。次年度に論文作成にとりかかる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一意性定理に関する研究論文が出版され一区切りついた事は大きい。またBanach空間上の拡散過程に対する汎関数振動積分の漸近挙動の研究も解決への方針が, すでに見えているため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は, 採択内定が遅れたこともあり, 研究費執行計画に若干のずれが生じてしまったが, 次年度の使用計画は明確であり, 特に問題にはならないと思われる。国内外の様々な研究者との研究打ち合わせを通して, 本年度に得られた成果をまとめた論文の完成に向けて一歩でも研究を進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は, 11月にドイツを1カ月訪問し, Bonn大学のAlbeverio氏, Berlin工科大学のFriz氏の所で汎関数振動積分の漸近挙動に関する研究打ち合わせを行う。特にAlbeverio氏との議論を通して, 物理モデルへの具体的な応用を探る。また3月にイギリスを3週間訪問し, Oxford大学のQian氏とも上記の問題を討議する予定である。また「岡山解析・確率セミナー」の活動を引き続き行い, 岡山大学を訪問する研究者への専門知識提供費にも本研究費を使用する。
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