研究課題/領域番号 |
23740124
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋平 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (00465387)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 変分問題 / 楕円型偏微分方程式 / シュレディンガー方程式 |
研究概要 |
平成23年度は本研究費を用いて、8月21日から10月21日まで、中国の南開大学のChern数学研究所のZhi-Qiang Wang教授の下を訪問し、連立非線形楕円型方程式の研究を行った。当初の計画ではアメリカのユタ州立大学へ行く計画であったが、Wang教授が南開大学ヘ異動したため訪問先を中国の南開大学に変更した。この訪問期間において、Zhi-Qiang Wang教授が最近精力的に研究されている連立非線形楕円型方程式の最先端の研究について直接意見交換をできたことは有意義であった。この訪問期間中に連立非線形楕円型方程式の半正値解(一方の成分が正である非自明解)の多重存在について多くの研究成果を得ることができた。具体的には連立非線形楕円型方程式において相互作用項の係数が負のときに、可算無限個の半正値解が存在することを示した。また相互作用項の係数が正で0に近いときの半正値解の多重存在も示した。さらに相互作用項の係数を無限大にしたときに現れる極限方程式も可算無限個の半正値解をもつことを示し、相互作用項の係数が正で十分大きいときの半正値解の多重存在を示した。これらの研究成果は"On the multiple existence of semi-positive solutions for a nonlinear Schr\"odinger system"というタイトルの論文にまとめ、現在投稿中である。また本研究費を用いては、平成23年8月10、11日に大阪市立大学で高橋太教授(大阪市大)と渡辺達也准教授(京産大)と共同で楕円型方程式研究集会という名称で非線形シュレディンガー方程式の定在波解に関する研究集会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画のとおり、Wang教授の下を訪問し、非線形楕円型方程式の半正値解に関する研究成果を上げることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はもう一度南開大学のChern数学研究所を訪問し、今回の共同研究の内容を研究計画に沿って前進させる。また、Wang教授に日本に招待し研究発表を行っていただく。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に以下の事柄に研究費を使用する。・大阪市立大学で変分問題に関する研究集会を開催する際の講演者の旅費。・前年度の研究成果を発表するときの旅費。・南開大学のChern数学研究所のZhi-Qiang, Wang教授と研究打ち合わせをするための旅費。・研究に必要な書籍・計算機などの購入費。
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