平面内の曲線が曲率に依存して時間発展する曲率流方程式に対して,曲線の端点が時間と共に変化する自由境界問題を考えた.曲線の境界の接触角に関して条件が課された自由境界問題である.問題となるのは曲線とその端点に関する挙動の分類,漸近挙動の解析や漸近凸性などである.これに関しては最終年度はChang-Hong-Wu 准教授(国立台南大学)Jong-Shenq Guo教授(淡江大学),俣野博教授(東京大学)らと論文を投稿した.またこの研究の続きとして進行波解への収束する場合の解の指数収束のオーダーを計算した.これは可香谷隆(北海道大学)氏との共同研究である.一方で面積保存型曲率流の自由境界問題の研究も開始し,進行波解に対する線形作用素のスペクトル解析までを完了させた.
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