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2013 年度 実施状況報告書

同値関係から生成されるヘッケ・フォンノイマン環の解析と保型形式への応用について

研究課題

研究課題/領域番号 23740132
研究機関立命館大学

研究代表者

青井 久  立命館大学, 理工学部, 准教授 (90396276)

キーワードフォンノイマン環 / ヘッケ環 / 同値関係 / 保型形式
研究概要

研究3年目である本年度は,昨年度から進展があったヘッケフォンノイマン環の構造解析を中心に進めることとなった.東京学芸大学の山ノ内氏と共同で研究を続けている「Schlichting completein」の理論に関連して,index cocycle の像についても,群と同様に double coset として表すことができることが確認できた.index cocycle の像の解析が困難である1つの要因として,cocycle 条件の関係式に由来しない演算結果が生じることで,生成される群が大きくなる可能性を考慮することがある.本年度の解析により,生成される群が大きくならない,すなわち, double coset 自体が群をなすための特徴付けを Hecle pair に対して適用することに成功した.
ヘッケ作用素の理論については,その基盤となるべき上記の研究を優先させたために,予定通り進めることができなかったが,上記で得た研究成果を土台に理論を構築させる準備は整ったと言える.
理論の具現化のための数学ソフトウェア Sage の活用については,3次元描画を中心に適用を試みている.今年度は大学で展開している Sage Notebook Server を用いて,ソースレベルでの Sage を解析および調整を行った.そこで得られた成果発表を通じて,Sage を研究で活用している数学者と交流を行うことができた.そこで得られた成果についてはサーバ上にて公開する計画である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Schlichting completion に関わるヘッケフォンノイマン環の解析や力学系に関わる理論の数学ソフトウェアへの適用についてはほぼ計画通り進められたと言えるが,ヘッケ作用素に関わる理論については基盤となる研究を優先させたために,明確な理論を打ち立てることができていないという点でやや遅れていると考えている.

今後の研究の推進方策

方針は当初の計画通りであるが,ヘッケ作用素に関わる理論の構築は最優先で進めて行く計画である.
また,これまで断片的に得られていた結果は最終年度である平成26年度でまとめ上げる方向で進めたい.特に,研究成果の発信という面からも,数学ソフトウェアによる理論の可視化については,サーバ上で広く公開することを見据えて進めたい.

次年度の研究費の使用計画

学内業務などにより,計画していた海外出張を取り止めたため.
次年度で最終年度であるが,大きな出張1回分程度のものであり,ほぼ当初の計画に沿って進める予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 大学における数学教育,研究のための Sage サーバ運用事例

    • 著者名/発表者名
      青井久
    • 学会等名
      数学ソフトウェアとフリードキュメント18
    • 発表場所
      学習院大学(東京都)
    • 招待講演
  • [学会発表] Schlichting completion of Hecke pairs

    • 著者名/発表者名
      青井久
    • 学会等名
      日本数学会2014年度年会
    • 発表場所
      学習院大学(東京都)

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公開日: 2015-05-28  

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