研究課題
マグネターは超強磁場を持つ中性子星であり、磁場のエネルギーの解放により輝いていると考えられているが、その磁場エネルギーの解放機構はよく理解できていない。突発的に明るさが変動することが知られており、継続的なモニター観測が必要である。可視・赤外対応天体が見付かっており、その放射メカニズムとして磁気圏起源とダスト円盤起源の二つの可能性が考えられている。我々はマグネターの赤外対応天体の放射起源を調べるため、すばる望遠鏡による観測を、2013年3月に行ったが、その観測結果を天文学会にて発表した(金子他)。さらに、2014年3月にも再度、二つのマグネターについて観測する機会が得られ、高速測光によるデータが取得できた。一方、我々が運用している、全天X線監視装置MAXIが発見した新種の突発天体MAXI J0158-744の観測論文が、ApJに受理された。MAXIが捉えた約100倍のエディントン光度に達したアウトバーストの起源が、新星爆発の点火現象であることが解明された。これは史上初のことであり、極めて重要であるので、理化学研究所を通してプレスリリースを行った。また非常に重たい白色矮星であり、チャンドラセカール限界に近いか、超えている可能性があることも示唆された。さらに、近年理論的に提唱された磁場が非常に強い白色矮星であることも示唆された。このことと、マグネターの白色矮星モデルとの関連についてもいくつかの研究会で紹介し議論した。さらに、MAXI J0158-744のスペクトル中に発見された強いネオン輝線の起源についての理論論文の作成に協力した。これは、2014年度初頭にApJに受理された。コンパクトな領域からP-Cygni profile によって、強い元素起源の輝線が放出されることを示した点で画期的な成果である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://www.riken.jp/pr/press/2013/20131114_2/