研究課題
本研究は銀河系中心部の広域分子雲観測を実施し、銀河系中心部の磁気浮上ループの全容の解明を目指すものである。本研究2年目までに、NANTEN2望遠鏡を用いて、CO分子回転遷移輝線J=2-1を用いた銀河系中心部400pcの観測、およびCO J=1-0輝線を用いた銀河系中心部2kpcの観測を完遂し、世界で他に例のない広域かつ詳細な銀河系中心部の分子雲地図を作成した。このデータを用いて、発見以来謎であった二重らせん星雲の起源が巨大ブラックホールSgrA*から放出されたジェットの残骸であることを明らかにした。現在のSgrA*は活動性が低いとして知られているが、これは過去の活発な活動性を示唆する重要な結果である。また、CSO鏡およびMopra鏡を用いてこの星雲の詳細観測を実施し、らせん構造に付随する分子雲の詳細構造を明らかにした。以上の結果は、本年度、2本の論文がAstrophysical journal誌に掲載受理された。また、上記の2kpc広域データを用いて、特に銀経で正方向の分子雲ループのカタログを作成し、これまでに発見された分子雲ループと比較することで、銀経正方向にはより古いループが集中していることを明らかにした。これを日本天文学会2014年春季年会にて発表した。また、銀河系中心部の磁場強度を世界で始めて直接観測により明らかにするため、アメリカのEVLA干渉計を用いたOH分子の吸収線の偏光観測を提案し、本年度観測が実施された。観測はSgrB2分子雲方向の広域(0.5度)について実施した。得られたデータは現在解析を進めており、データも良質であり、間もなく結果が形になると期待される。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件)
ApJ
巻: 780 ページ: 72
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10.1088/0004-637X/780/1/36
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10.1088/0004-637X/778/1/59