研究課題/領域番号 |
23740151
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
深川 美里 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40509840)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 光学赤外線天文学 / 惑星起源・進化 / 時間変動 / 原始惑星系円盤 / 星形成 / 国際研究者交流 / アメリカ |
研究概要 |
すばる望遠鏡用近赤外線カメラ(IRCS, HiCIAO)を用いて、原始惑星系円盤の高解像度撮像度観測を行った。過去の我々の研究から円盤の表面輝度の変光が疑われていた1天体については2度の円盤撮像を実行し、また、これらとほぼ同時にシステム全体の光量を測定するための測光観測も、海外研究者の協力を得て行った。その結果、数ヶ月の期間では大きな変光は見られないこと、また、変光の時間スケールがおよそ10年程度であるということが分かった。一方、1度しか観測しなかった天体のうち1個については、過去の高解像度観測との比較、およびこれらすばるによる撮像とほぼ同時に行った測光観測の結果を考慮することにより、円盤内縁の構造変動が生じている可能性が高いことが新たに明らかとなった。 ISAS望遠鏡を使って、円盤を持つ天体の可視光測光モニター観測を実施した。観測日数は延べ34夜であった。可視CCDカメラを使った試験観測の後、9天体について3~15回の観測を3波長で行った。検出した変光の周期や波長依存性から、質量降着によるホットスポット等に起因する変動をとらえた。1月末には、すばる望遠鏡で若い天体の撮像が行われたのに伴い、このISAS望遠鏡で可視、また東広島天文台の協力を得てかなた望遠鏡で近赤外線の測光を行って、連携観測を実現した。現在、この天体における減光の時間変化について解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画1年目の中心は観測の遂行であったが、すばるによる円盤観測のための時間確保、また、国内・海外研究者の協力のもとでの複数望遠鏡を使った連携観測は、概ね順調に実現できている。
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今後の研究の推進方策 |
時間変動の性質を明らかにするという研究の性質上、重要なのは観測の継続である。これまでの我々の研究から、円盤構造の変動のタイムスケールとして長くて数年が予想されるため、平成24年度も23年度の計画を継続する。観測された変光の特徴(明るさの変動の度合いや周期、内側と外側との相関、星自身の変光との相関)に基づいて、円盤構造の変動のメカニズムを明らかにするために、時間変動を予言する理論研究との比較を理論研究者を交えて行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画に変更はない。変光観測用のデータサーバーの整備は23年度中に終了したため、24年度の使用用途は主に観測旅費となる。
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