研究課題/領域番号 |
23740152
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鍛冶澤 賢 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (60535334)
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キーワード | 銀河進化 / 銀河形成 / 赤外線観測 |
研究概要 |
MOIRCS Deep Surveyの星質量選択銀河について、120億年前の時代から70億年前の時代にかけて、銀河の星形成活動や星質量成長が形態とどのような関係になっているのかを調べた。銀河進化の激動期においても星形成活動と形態の間にはかなり強い相関関係があるという示唆が得られた。また、これまでのMOIRCS Deep Surveyによる研究成果を国際研究会で発表した。 また、120億年前の時代の原始銀河団領域の近赤外線データを解析し、大質量銀河の探査を行い、質量の小さい星形成銀河であるライマンα輝線銀河の空間分布との比較を行った。ライマンα輝線銀河が密集している領域に、大質量銀河も集中して存在しているという示唆を得た。これらの成果を学会において発表した。さらにこれらの原始銀河団中の大質量銀河の性質を詳しく調べるべく、近赤外線撮像・分光観測の計画立案を行った。 COSMOS領域において120億年前から80億年前の時代の明るい中間赤外線天体の近赤外線分光データを解析し、その結果に基づいてさらに効率のよいサーベイ計画の立案を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すばる望遠鏡及びFMOSを用いて観測した120億年前から80億年前にかけての活発に星形成を行っている銀河の近赤外線多天体分光データを解析し、さらに効率よく多天体の分光観測を行う計画を立案できた。 また、120億年前の原始銀河団領域の近赤外線データの解析から、これらの高密度領域における大質量銀河の質量集積過程の手がかりを得た。また、これらの大質量銀河の性質をさらに詳しく調べるための観測計画を提案し、観測時間を得ることができた。 MOIRCS Deep Surveyではこれまでの解析で得られた結果に加え、銀河の星質量集積と密接に関係していると考えられる形態を調べることで、銀河の星質量成長の理解に向けた重要な情報を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
COSMOS領域におけるすばる望遠鏡およびFMOSを使った銀河進化の激動期における銀河の近赤外分光観測サーベイを実行する。観測データの解析を進め、これらの銀河の星形成率を高い精度で決定し、この時代における銀河の星質量成長について調べる。 これらの研究結果を国内外の研究会に参加して、発表・議論を行う。また、解析をより効率的に進められるようにパソコンを購入する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際研究会に参加して研究成果を発表するために、旅費・研究会参加費を支出する。 また、国内の研究会や学会へも参加し、同様に研究成果の発表や議論を行う。 また解析の効率化のためにパソコンを1台購入する。
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